各モードへの風応力の影響の定量化

 他のページで記述した鉛直モード展開の結果を用いて、風応力(風が海面を引きずる力)が各モードの水塊に対して、どの程度効いているのかをそれぞれ定量化してみました。

 

 下図は、風応力が海面で海水を引きずる力を黄色の矢印、混合層内で水塊が押される力を緑で表した概念図と、熱帯太平洋におけるOFESの水温・塩分データから密度の鉛直プロファイルを作成し、浮力振動数のプロファイルに書き換え、鉛直モード展開を行うことで得られたモード1〜3の固有値ベクトルです。熱帯太平洋の混合層の深度は約45mです。モード展開によって得られた固有値ベクトルから、各モードへの風応力の分配を行いました。

 

下式が実際に風応力の分配を行なった式です。

 上記で求まった太平洋における各モードへの風応力の分配係数はモード1で0.34、モード2で0.38、モード3で0.29となりました。風応力はモード2のに最も寄与していると言えます。